こんにちは☆HAOです!
地域の防災リーダー、町内会の防災役員をやっております。
家庭防災をテーマに、あなたの困ったを解決する為の情報発信をしています。
今回は「学校で急に出される家族防災会議の宿題」のやり方です!
ぜひ気軽に読んでいってくださいね。
防災会議のやり方なんてみんな知らない
最近の夏休みの宿題は、家族を巻き込んで実施するものが多くなってきました。
「お父さ〜ん、これ、夏休みの宿題なんだけど…」
学校から帰ってきた小4の娘が、プリントを手に持ってきました。
見ると、そこにはこんな文字が——
“夏休み期間中に『家族で防災会議』を開きましょう。家庭での災害時の対応について話し合い、プリントにまとめてきてください。”
「え、家族防災会議?」
「ちゃんと準備してる…かな…」
「家族防災会議って、何すればいいの?」
妻と目を合わせて、ちょっと困り顔。。。
ずっと気にはなっていました。
でも仕事、家事、子育てに追われて、「いつかやろう」が「ずっとやらない」に。
「もう、やるしかないね!夏休みの宿題だもんね。」
そう言って、我が家の防災会議が始まりました。
家族防災会議、最初に決めるのは5つだけ!
「地震が起きたら、どこに逃げるの?」
「お父さんとお母さんが仕事中でいなかったら?」
「救助にくるのって3日後?その間、何が必要?」
「地震になったら避難所に行くの?どこ?」
何を決めればいいか分からないけど、取り合えず防災の話をすると。。。
話をすればするほど、話が逸れていって、まとまらない。
それが家族防災会議です。困ったもんです。
よく分からないから、逃げたくなりますよね。分かります。私がそうでした。
お父さんが防災グッズ揃えてるから安心、お母さんが連絡先を把握してるから大丈夫。
それじゃ、ダメなんです。みんなで一緒に備えないといけないんです。
そ こ で、
同じように、「やらなきゃとは思ってるけど、まだ何もしてない…」という家庭に向けて、
共働き&子育て世帯におすすめの防災ステップを紹介します。
決めるのはたった5つだけ!
- まずは生きてる事を知らせよう :安否確認と連絡手段の確認
- 一人でも動けるようになろう :集合場所と避難経路の確認
- 何をもっているか知ろう :備蓄しておく物の共有と見直し
- 助けあえる人を知ろう :頼れる人・近所のつながりの確認
- ルールと安心を持ち歩こう :行動リストと防災ポーチを作る
順番に解説します!
でも、その前に大事なことをお伝えします。基本のキ。
基本的に、発災時は動けない事を知ろう
まずは、地震発生直後、人は動けなくなります。
それはなぜか。ゆれを楽しんでしまうから。
普段の地震を思い出してください。揺れた直後に動いてますか?動いてないと思います。
あ、地震だ。深度どのくらいかな?って固まりながら思いませんか? 私がそうです。
せめて、
これ以上大きくなったら、
あの机の下に飛び込もう とか、
あの広い所に移動しよう とか、
その場所で脳内シミュレーションする癖をつけて下さい。
それだけで初動が早くなりますよ。
さあ!本題に行こう!
① まずは生きてる事を知らせよう :安否確認と連絡ルールの確認
家族の安否確認をしよう
地震が収まったら、まずは家族の安否確認を行いましょう。これが一番大事!
ここで役に立つのが、皆がつかってるLINEと災害伝言ダイヤル(171)です。
発災直後は電話が通じます。通じなくなるのは、発災直後から30分程度経過後から徐々に通じなくなります。
理由は皆が家族に連絡を入れて、携帯の基地局の許容量を圧迫するからです。
そして、携帯基地局は回線の許容量を超えると一般の電話回線を遮断し、消防/救急などの緊急回線を優先的に使える様にします。
お祭りなどで一部のエリアに人が殺到すると、似た現象になりますが、そこでは移動基地局が設置されるので、回線の抑制はされません。
話が逸れましたが、この様な理由で、徐々に電話が通じなくなります。
徐々に通じなくなるので、最初だけは通じます。
この通じる時間に家族に電話して、安全確認をしましょう。
ここで電話が出来れば、その後の行動は相談出来ますね。
LINEで避難場所と行動を伝えよう
問題は電話ができず、家族の安全確認ができない場合です。
そんな時に役に立つのが、LINEと災害伝言ダイヤル(171)です。
LINEの場合、
必要なことを入れて送信さえ出来てしまえば、相手がみた時「既読」がつきます。
「既読」なら、相手に情報が伝わっていますので、事前に決めた「連絡ルール」に従って動けますね。
LINEの良いところは、メッセージが残り、いつでも見返せるところです。
そして、なにより使い慣れていることです。使えるものは全部活用しましょう。
災害伝言ダイヤル(171)で避難場所と行動を伝えよう
小学生の場合、スマホは持ってないけど、キッズ携帯を持ってるよっていう子供達が多いですね。
その場合はLINEが使えません。
そんな時は、災害伝言ダイヤル(171)を使いましょう。
前もって、録音する内容(「連絡ルール」)を決めておくと、スムーズに電話出来ます。
- 録音内容例:「花子」です。「〇〇学校の正門」に「15:00まで」避難します。「太郎と一緒」にいます
- 災害伝言ダイヤルに電話する。
少し緊張しますが、やってみましょう。
災害伝言ダイヤルの使い方
- 171に電話をかける:固定電話や携帯電話から「171」に電話をかけます。
- 音声ガイダンスに従う:録音する場合は「1」、再生する場合は「2」を押します。
- 電話番号を入力:録音・再生する相手の電話番号を、市外局番からダイヤルします。
- 伝言を録音・再生:音声ガイダンスに従って、伝言を録音または再生します。
毎月1日と15日は体験利用ができます!
災害時に落ち着いて利用できるように、試しに使ってみましょう。

② 一人でも動けるようになろう :集合場所と避難経路の確認
家族がバラバラの時間に被災することもありますよね。むしろそっちの方が多いはず。
そんなときのために「連絡ルール」+「集合場所」は、必ず決めましょう。
我が家の場合は、
「電話で連絡が取れなければ」+「小学校の正門前に集合、15:00まで待機」としました。
具体的には、次のことをやります。
- 電話をする。出なければ2、3、4番へ 出れば集合場所を相談。
- LINEを活用:【避難中】今から〇〇小学校の正門に15:00まで避難してます。〇〇と一緒にいます
- 災害伝言ダイヤル(171)を活用:〇〇です。〇〇学校の正門に15:00まで避難します。〇〇と一緒にいます
- 小学校の正門前へ移動
- 15:00になったら、LINE/災害伝言ダイヤルに伝言を入れて、自宅へ移動
連絡がとれるなら、その時決めてもいいんです。
連絡が取れない場合に、みんなで同じ行動が取れることが大切です。
移動するときには、忘れずにLINE/災害伝言ダイヤルにメッセージを入れましょう。
ここで「小学校の正門」を避難場所にした理由は、普段通い慣れている小学校の通学路を通って「集合場所にいける」からです。
こうする事で、新しいルートを考える必要がありません。
そこにプラスして、危険な場所があるか親子で散歩してみるといいですね。
子供達の方がルートの細かいところが分かるでしょう。
実際に話しながら歩いてみると、新たな発見があるかも知れませんよ。
③ 助けあえる人を知ろう :頼れる人・近所のつながりの確認
- 近所で頼れる人は誰?(ママ友、祖父母など)
- 学校や保育園との連携、安否確認方法
- 地域の防災訓練・連絡網のチェック
「お父さんとお母さんがいなかったら、誰に助けを求めればいい?」
そんなときのために、“頼れる人マップ”を作っておくと、こども達が迷わなくて良いですね。
たとえば…
- 近くに住んでいるママ友・親戚
- 子どもと仲の良い同級生の家・ご近所の家
- 職場の同僚や保育園の先生
子どもにも名前・連絡先を覚えてもらって、メモをランドセルに入れておくと安心です。
大人も「いざというとき助け合える人」を共有しておきましょう。
「子どもと仲の良い同級生の家・ご近所の家」は普段から協力体制が取れる様に、あいさつなど積極的にコミュニケーションを取っておくと、とても強力な災害対策になります。
これは東日本大震災を経験したからこそ言える事実で、普段から交流があるご近所さんからは、給水車情報や再開したお店の情報など、自分で収集できない情報も入ってきて、大変助かりました。
お隣さんだけでも良いので、普段からあいさつをすることを強くオススメします。
我が家の場合は、子供たちが同級生か1、2年の年の差の為、一緒に学校に通っていたりします。普段からそのようなコミュニケーションをとっていると、いざと言う時に大いに役に立ちます。
防災だけではなく、防犯対策にもなります!
④ 何をもっているか知ろう :備蓄している物の共有と見直し
- 3日分の水・食料・トイレ・照明などの備え
- 子どもや高齢者の特別な配慮(おむつ、薬など)
- 期限切れのチェックとローテーション方法
大きな地震直後から3日間は支援が来ません。
人命救助を最優先にするので、とりあえず生き延びた人にかまっている余裕がないのです。
人が水なしで耐えられるは72時間(3日間)と言われています。この期間を過ぎると人の生存確率がガクっと落ち込みます。
したがって、最低3日分〜出来れば7日分のライフライン(電気・水道・ガス)の備えが大切です。
我が家の場合、東日本大震災時は電気がストップし、防寒対応が大変でした。水は幸い止まりませんでしたが、水が止まっていたらトイレが大惨事になるので、今考えても怖いです。
また、地震ではなく、コロナ禍など他の事情で、家から出ない事を強要される可能性もあります。
日本ではありませんでしたが、親戚が住んでいるニュージーランドでは、2週間のロックダウンを実施し、仕事に行くことはもちろん、外に出ることも厳しく制限されたと聞いています。
こんな時は備蓄食料が大きな助けになりますね。
そこで最低限そろえたい物は…
- 水:1人1日3L × 家族分
- 食料:レトルト食品、缶詰、乾パンなど
- 調理:カセットコンロ&カセットガス
- 排泄:トイレットペーパー、簡易トイレ
- 電気:モバイルバッテリー、ヘッドライト、電池
になります。特に優先度が高いものは「水、トイレ、電気」です。
水は全てに使います。全く飲めない状態では人は3日間で死にます。本当です。
ペットボトルの消費期限は内容量を維持できなくなる期限を表現しただけなので、実は中の水は飲めるんです。心配な方は手洗いなど生活用水に使っても良いですね。
水は2Lペットボトルを箱買いし、床下収納や、押し入れにしまっちゃいましょう。
1年に2回程度見れば消費期限対策になります。
トイレは我慢できません。本当に我慢できません。
食料より先に、携帯トイレ/簡易トイレを準備してください。しかも、これを準備せずに家のトイレを使ってしまい、流せなくなると、地獄生活の始まりです。
避難所のトイレ、本当に酷かった。。。
トイレは考えたくない人は防災トイレキットの購入をオススメします。
一度備えれば、仕舞い込んじゃいましょう。消費期限なんて、あってないようなもんです。
最後に電気(明かり)です。人は真っ暗になり、足元がガラスなどで危険な場合、全く動けなくなります。
停電時に点灯する足元ライトがかなり便利です。停電直後、満充電の手持ちライトになります。また、ヘッドライトを使用すれば、両手が空くので安全ですね。
ヘッドライト家族人数分、停電時自動点灯足元ライトがあると良いですね。
小さな子ども用には安心できるものを準備しましょう。
- おやつ・ジュース(慣れた味で安心)
- 折り紙・カード・絵本など好きなもの(退屈対策)
- 子どもサイズのマスク など
いつも一緒に寝ているぬいぐるみがいる場合は、ぜひそのぬいぐるみも一緒に避難しましょう。不安な時の心の支えになってくれます。
環境が変わると不安で体調を崩す子供も多いと聞きます。少しでも安心できるものを備えておくと良いですね。我が家の場合は、ピカチュウのぬいぐるみが大きな役割を果たしてくれます。
その他、個別用に必要なものはそれぞれ準備して、予備品を作っておくと良いでしょう。
- 生理用品・入れ歯・メガネ
「これ食べられるかな?」「どれが好き?」って聞きながら買うと、備蓄準備も楽しくなりますね。
あなたの家族にあった備蓄を考えてみましょう。これがそのまま、防災リュックの中身に応用出来ます。
ルールと安心を持ち歩こう :行動リストと防災ポーチを作る
ここまで出来たら、最後の仕上げを行って、家族防災会議の成果を形にしましょう!
ポイントは下記です。
- ①~③を元に行動リストを作る、連絡先表を作る
- 家族全員が自分の防災ポーチを作る
- 通勤カバン・ランドセル・リュックに常備する
上から順に作っていきましょう
①~③を元に行動リストを作る、連絡先表を作る
まずは行動リストを作りましょう。
パニックになっている時、リストの順に作業を行う事ですぐに最適な行動を取れるようになります。
事前に行動リストを作って、ポーチなどに持っておきましょう。
下のリストを参考に自分の行動リストを作成してみてくださいね
□ ① 安否確認: 地震が収まったら、家族に電話で安否確認を行う(発災直後30分以内に行動)
父:( - - )、母:( - - )、 :( - - )
□ ① 安否確認: 電話が通じない場合、LINEで状況・避難先を送信し既読確認
□ ① 安否確認: キッズ携帯利用者は171災害伝言ダイヤルを利用して行動と避難先を録音
録音例: です。 学校の正門に15:00まで避難します。 と一緒にいます
□ ② 集合と避難: 連絡が取れない場合、決めた集合場所(例:〇〇小学校正門)に15:00まで待機
□ ② 集合と避難: 15:00を過ぎたらLINEか171で自宅に戻る旨を連絡
録音例: です。自宅に移動します。 と一緒に動きます
□ ③ 頼れる人確認: 学校、両親、祖父母など、頼れる人をリストアップし共有
父:( - - )、母:( - - )、兄弟:( - - )
学校:( - - )、祖父母:( - - )
:( - - )、 :( - - )、 :( - - )
家族全員が自分の防災ポーチを作る
ここでは防災ポーチの最低限の中身について紹介します。
アレンジを加えて、自分用のポーチを作ってみて下さいね。
もっと詳しく知りたい方はこちら▼
防災ポーチの作り方
【子ども用防災ポーチにおすすめの中身】
- 災害後の行動リスト
- 小型のライト
- 笛(ホイッスル)
- 絆創膏・ティッシュ・ミニマスク
【大人用は…子供用に追加します】
- 災害後の行動リスト
- 小型のライト
- 笛(ホイッスル)
- 絆創膏・ティッシュ・ミニマスク
- スマホ充電器(モバイルバッテリー)
- 現金(小銭も!)
- 常備薬・簡易トイレ
- 保険証や身分証のコピー
- 家族の写真
これも必要かな?と思うものを少し足してオリジナルのポーチを作ってみましょう!
子どもと一緒に「自分用の防災ポーチ」を作ると、自分が何を持っているかわかりますね。
日常バッグやランドセルに入れておきましょう。
因みに我が家の場合は「普段使いする/しない」で2種類に分けてます。
普段使いしないものが防災ポーチとして、準備するものです。
【普段使いするもの】
- スマートフォン
- モバイルバッテリー
- 充電ケーブル
- マスク
- 財布(現金/カード)
- リップクリーム
【普段使いしないもの(防災ポーチ)】
- 災害後の行動リスト
- 絆創膏
- 携帯トイレ(1回小用:100均)
- ウエットティッシュ(アルコール10枚:100均)
- レジ袋(Sサイズ1枚)
- ポリ袋(小サイズ:ちょっとした入れ物、大きな出血の止血)
- 常備薬
- 笛
- 折りたたみハサミ
- 爪切り
- ピンセット
人によっては入れるものが違います。
自分ならどんな時に何が使いたくなるかをイメージしながら、家族で楽しく作ってみましょう。
理想はお持ちのバックの個数分作って、全部に入れてしまう事です。
入れ忘れがなくなり、必ず持ち歩くことが可能です。
おわりに:「まだ何もしてなかった」から始められること
いかがでしたでしょうか。
今回の記事で紹介した事を参考に、できる事から家族防災会議を行えば、
宿題の提出には困らないでしょう。
「パパ、今日の防災会議、楽しかったね!」
娘が寝る前にそう言ったときは、ちょっとびっくりしました。
防災について、“なんか怖いことへの準備”だと思っていたそうです。
でもやってみたら、“家族で一緒に不安を取り除く行動”なんだって、考えが変わったと聞いて、
子供ながらに色々感じてくれたんだなと思いました。
この考え方の変化が、家族防災会議の大きなメリットなのでしょう。
もちろん、うちはまだ完璧じゃありません。
備蓄も足りないし、防災ポーチだってこれからもっと工夫が必要です。
でも、「何もしてなかった」状態から、一歩踏み出せたこと。
それだけでも、大きな意味があると思います。
もしこのブログを読んでくれてるあなたが、
「うちも何もしてないな…」って思っていても、大丈夫。
この記事が、“うちの防災”を始めるきっかけになりますように。
そして、あなたのご家族が、どんな時でも笑顔で過ごせますように。
これからも家庭の防災対策について紹介していきます!
また来て下さいね☆
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