20XX年、冬
突然、部屋が揺れた
最初は小さな揺れだと思っていた
でも止まらない
机の下に潜り込もうとしても
激しい揺れでその場にしゃがみ込むことしかできない
本棚が倒れ
食器棚からは大量のお皿が降り注ぐ
ぐちゃぐちゃになりながらも
なんとか揺れが収まった
部屋を見渡す
めちゃくちゃだ
ももち荷物も持たずに、避難所へ走った
なんとかたどり着いたその場所には
すでに大勢の人ひとヒト…
職員に言われた一言
「満員です。入れません」



急いで次の避難所へ



次の避難所には、なんとか入れた
でも
広い体育館に人がぎゅうぎゅうに押し込められ
手には薄い毛布が1枚あるだけ
床は冷たくて硬い
トイレはすでに汚物でいっぱい
食べ物は十分に届かない
夜はうるさくて眠れない



ガチャ。
VRゴーグルを外した
これは20XX年に開発された
「被災体験シミュレーター」の世界






「在宅避難」という選択肢がある
家が無事なら、自宅で乗り切る
それが今の防災の新常識
でも、準備なしでは在宅避難もできない
このブログでは
【防災/在宅避難】をテーマに
「おもち先生」と「ももち」が 物語形式で
「家族4人が、自宅で安心して過ごすための防災準備」
を、一つずつ一緒に整えていきます
【この記事を読むとわかること】
- 在宅避難とは何か、なぜ今必要なのか
- 自宅を安全な場所にする3つのポイント
- 今日から5分でできる、最初の一歩



在宅避難ってそもそも何?






むずかしい話ではありません
家が安全なら、家にいる
実は国も自治体も、在宅避難を推奨しています
内閣府の防災指針にも
「避難所は、自宅生活が困難な人のための場所」
と明記されています
避難所は、全員が行く場所ではないんですね
また、避難所について調べると、こんなデータがあります
東日本大震災のとき
避難所で生活した人は、被災者全体の約20%
残りの約80%は自宅や親戚の家で過ごしていました
「地震が来たら避難所へ」は
多くの人が持つ思い込みかもしれません
災害の時も特に何もせず、家に居て良いのか
そう思ったあなた
在宅避難には条件があります。
次の2つがクリアされていることを確認しましょう
在宅避難できる2つの条件
① 家が倒壊していない
ひびが入っていたり
傾いていたりする場合は避難所へ向かいましょう
② 周囲で火災・水害などが起きていない
近くで火の手が上がっている
水害で家が浸水する恐れがある
土砂崩れの危険がある
このような場合は、すぐに避難が必要です









なぜ在宅避難が必要なの?






避難所は「安全な場所」ではあります
でも「快適な場所」では決してありません
- プライバシーがない
体育館に数百人が肩を寄せ合う生活です
着替えも、電話も、泣くことさえ気を使います
家族だけの空間は、どこにもありません
- 感染症が広がりやすい
大勢の人が密集し、手洗いも十分にできない避難所は
感染症にとって格好の環境です
日本感染症学会は、避難所ではインフルエンザや感染性胃腸炎、ノロウイルスなどが
特に広がりやすいと報告しています
小さな子どもや高齢者がいる家庭では
特に注意が必要です
- 睡眠が十分にとれない
床に毛布1枚だけ敷いて寝てみてください
キャンプで地面に寝た経験がある方なら
わかるかもしれません
硬くて、冷たくて、とにかく眠れない
それが毎晩続きます
他の人のいびきや泣き声も止みません
- 食事が偏る
支援物資はおにぎりやパンが中心です
確実に栄養が偏ります
アレルギーを持つ家族には
食べられないものが出てきます
そして、粉ミルクはありません
乳幼児を連れた家庭には
特につらい状況になります









在宅避難を成功させる3つの柱






在宅避難を成功させるために
必要なことは、実はシンプルです
家を守る・備える・情報を得る
この3つの柱を立てるだけです
柱① 家を凶器にしない
地震で一番怖いのは、建物の倒壊だけではありません
実は室内での怪我と火災が
大きな被害をもたらしています
- 家具の転倒
阪神・淡路大震災では
亡くなった方の約8割が
建物の倒壊や家具の転倒による
圧死・窒息死でした
特に危険なのは寝室です
寝ている間に家具が倒れてきたら
避けることができません
L字金具や突っ張り棒で固定するだけで
リスクは大きく下げられます
- 通電火災
地震後の火災の約6割は
電気が原因と言われています
揺れが収まって「安心した」その瞬間に
倒れた家電や損傷したコードから
火災が起きることがあります
これを防ぐのが感震ブレーカーです
揺れを感知すると自動で電気を遮断してくれます









柱② ライフラインが止まっても困らない備蓄
大きな地震の後
電気・ガス・水道は止まります
どのくらいで復旧するか、見てみましょう
| ライフライン | 復旧までの目安 |
|---|---|
| 電気 | 約1〜2週間 |
| ガス | 約1ヶ月 |
| 水道 | 約1〜3ヶ月 |
水道の復旧が一番時間がかかります
最低でも7日分の備蓄が必要な理由が
ここにあります
- 水
1人1日3リットルが目安です
家族4人なら、1日12リットル
7日分で、84リットルになります
「そんなに?」と思った方
実は飲み水だけでなく
調理や歯磨きにも水は必要なんです
- 食料
カップ麺やレトルト食品を
普段から少し多めに買っておく
「ローリングストック」が有効です
賞味期限が切れる前に食べてまた補充する
それだけでいいんです
- トイレ
実は備蓄の中で
一番見落とされがちなのがトイレ問題です
断水時にマンションで水を流すと
下の階に汚水が逆流することがあります
簡易トイレの備蓄は
家族の人数×7日分が必要です
家族4人なら最低28回分です









柱③ 暗闇と不安を解消する
停電になった夜の暗さは
普段の比ではありません
街灯もコンビニの明かりも消えた夜は
本当の暗闇です
晴れてれば、星空だけがきれいです
- 照明
懐中電灯は1本だけでは足りません
家族全員が手に持てる本数が必要です
特におすすめなのはランタンとヘッドライト
両手が使えるヘッドライトは
子どもの安全確保に役立ちます
でも、もう一つ見落としがちな備えがあります
夜に停電が起きたとき
暗闇の中でライトを探すこと自体が
一苦労です
しかも足元には
割れた食器やガラスが散乱しているかもしれません
そこでおすすめなのが
停電時に自動で点灯するライトです
普段はコンセントに挿したまま
または電球として使えるタイプがあります
停電と同時に自動で点灯するので
「暗くてライトが見つからない」という
最悪の状況を防いでくれます
リビング・寝室・廊下など
普段よく使う場所に設置しておきましょう
完全な暗闇を回避するだけで
パニックは大きく減らせます
- 情報収集
停電時にスマホの充電が切れると
情報が一切入ってきません
そんな時に頼りになるのが防災ラジオです
電池や手回し充電で動くので
停電でも使えます
正確な情報を得ることは
パニックを防ぐ一番の特効薬です
防災ラジオは普段から使うことが大切です
いざという時に操作がわからないでは困ります
日頃から聴き慣れておきましょう
選ぶときのポイントは
イヤホンが使えるタイプです
避難所など人が多い場所でも
周りを気にせず情報が得られます









今日からできる3ステップ






完璧な準備をしようとすると
人は動けなくなります
大切なのは
「昨日より少しだけ安心」を積み重ねること
3つのステップに分けました
できるところから始めてみましょう
🟢 今日5分でできること
- 枕元に靴を置く
地震は夜中に起きることもあります
暗闇の中、床に散乱したガラスの上を
裸足で歩くことになるかもしれません
靴を枕元に置くだけでいいんです
今夜から始められます
できれば袋に入れて
ベッドからすぐ手の届くところに
ぶら下げておきましょう
地震の揺れで靴が飛んでいくのを
防止できます
- 懐中電灯の場所を確認する
家の懐中電灯がどこにあるか
すぐに答えられますか?
「たぶんあそこ…」では遅いです
今すぐ確認して、手の届く場所に移しましょう
できれば靴と一緒に袋に入れて
ベッドからすぐ手の届くところに
ぶら下げてください
靴と明かりさえあれば、大抵のことができます
- 電池が入っているか確認する
懐中電灯を見つけたら
実際に点けてみてください
いざという時に電池切れ…
状況によっては笑えません
できれば予備の電池も1本
ライトと一緒に袋に入れておきましょう
安心は、+αの準備で作れます



🟡 今週中にできること
- 家族で話し合う
「もし今夜地震が来たら、どうする?」
この一言から始まる家族会議が
最強の防災訓練です
決めておくことはシンプルでいいです
下の3つは決めておきましょう
- 家族の集合場所はどこにする?
- 連絡が取れない時はどうする?
- 子どもだけの時は誰に頼る?
- 家の危険な場所を確認する
倒れそうな家具はどこにありますか?
寝室に背の高い家具がある場合は要注意です
まず「危ない場所」を把握することが
固定作業の第一歩になります
- 非常用持ち出し袋の中身を確認する
すでに持ち出し袋がある方は
中身の確認をしてみましょう
在宅避難ができなかった時に役に立ちます
まだない方は
「何を入れればいいか」をリストアップするだけでOKです
買い揃えるのは次のステップで大丈夫です



🔴 1ヶ月以内にやること
- 7日分の備蓄を少しずつ揃える
一気に全部買う必要はありません
スーパーに行くたびに
いつもより1本多く水を買う
普段の買い物に一つ多く買い足しましょう。それだけでOKです
- 家具を固定する
L字金具や突っ張り棒は
ホームセンターで手に入ります
まず寝室の家具とリビングの家具から始めましょう
家族が一番長く過ごす場所が最優先です
実は背の高い本棚なら
天井との隙間に空のダンボールを
詰め込むだけでも
転倒防止の効果があります
家具の固定は最初の一回やるだけで
効果がずっと続きます
ここだけは最初だけで良いので、少しだけ頑張りましょう
- 簡易トイレを備える
家族4人・7日分で28回分以上
まずは1セット購入するところから
始めてみましょう






まとめ
今回の記事を振り返ってみましょう
VRで体験した避難所の現実
- 満員で入れない
- 硬い床、足りない食事
- プライバシーのない生活
あれは、準備をしなかった未来の話です






在宅避難を成功させる3つの柱を
もう一度確認しましょう
- 柱① 家を凶器にしない
- 家具を固定して、感震ブレーカーを設置する
- 家の中の危険をなくすことが第一歩
- 柱② ライフラインが止まっても困らない
- 水・食料・トイレの7日分を少しずつ備える
- 備えがあるだけで、心の余裕が生まれる
- 柱③ 暗闇と不安を解消する
- 照明と防災ラジオで、情報と明かりを確保する
- 暗闇とデマがパニックを生む
そして今日からできることは
たった一つでいいんです
今夜、枕元に靴を置いてください
靴と懐中電灯を袋に入れて
ベッドにぶら下げるだけでいい
それだけで
あなたの家族の防災は
今日から始まります






防災は、我慢の連続ではありません
住み慣れた家で、家族と一緒に乗り切る
そのための準備を
このブログでは一つずつ丁寧に解説していきます
次に記事はこちら
寝ている間に地震が来た時
最初の数分で命運が分かれます
今夜から準備できる内容です




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